会社でチームのマネジメントに関わるようになり、人事の方にオススメしてもらって読みました。
内容について
ヤフーで1ON1をどう捉えているか(WHY&WHAT)、どのように実践しているか(HOW)に加え、全社的な導入時の工夫が書かれた本でした。
教科書というより先輩のノートといった感じの本です。
簡単にまとめると、ヤフーでは1ON1を「経験学習の加速」「キャリア支援」の2つの目的で使っており、そのために「アクティブリスニング」「繰り返し」などのテクニックも活用して相手の考えを引き出すようにしているそうです。
1つだけどうしても気になったのが、「上司」「部下」という表現。マネージャーは役割であり上下関係はないと思っているので私は使わない言葉なのですが、ヤフーでは使うんだぁ...と思いました。
学んだこと
この本を読む前に何人かのチームメンバーと1ON1の機会を持ったのですが、全員が「フィードバックは社会人になって以来、一番もらっている」「チームは仕事しやすい」という意見でした。
なので「もしかして、うちのチームはスクラムの仕組みでマネジメントを担保できている可能性があるな」(つまり1ON1は重要ではない?)と思っていたのですが、読むと発見がありました。
経験学習の加速について
私のいるチームではスクラムで開発しているので、チームの問題はふりかえりで担保できます。
しかし「PRを出すまでに時間がかかってしまった」「レビューより自分の実装を優先してしまった」といった個人の問題は、ふりかえりでは話されません。
ここでコーチングが登場するのは悪くないかもしれないと考えています。また、スクラムの文脈では個人の力量についてどう考えているかも気になりますね。
キャリア支援について
Connecting The Dots という言葉があるように、私を含めて周りのエンジニアは興味があることをつなげていって結果的にキャリアを築いている人が多いように感じました。
一方で将来設計がしっかりしている人もいますので、そうした人とは目標を共有しやすいと思いました。例えばテストの分野に興味があるなら @t_wada さんのように、メンバーが目標にできる人を抑え、その人のビジョンについて語れたら自然とキャリア支援がし易そうです。
それ以外に
- 1ON1にはコーチング以外にティーチングの役割もあり、これは「自分が解を持っていない問題を、誰かに尋ねる」が本質です。こういった意味のmtgはマネージャー - メンバーに限定されず、また定期的に持つ必要もなく、突発的に必要なメンバーで開けるような仕組みにしたいですね。
- スクラムではチームの仕組みをふりかえれますが、スクラム以外(例えば営業支援)でのふりかえりの場はどうすべきか。非公式に1ON1から始めて制度化するのはアリだと思いました。
- 1ON1のドキュメントはプライベートにすべきです。マネージャーのマネージャーと言えど共有すべきではなく、共有すべきものがあるなら「連絡帳」的な名前にすべきだと思います。
まとめ
1ON1について考えるいいインプットになりました。