書評 - スーパーユーザーなら知っておくべきLinuxシステムの仕組み
スーパーユーザーなら知っておくべきLinuxシステムの仕組みを読み進めています。まだ半分ほどですが、特に興味があったデバイスとブートに関する章を読み終えたので書評を書きます。
TL;DR
動機
自宅のProxmoxサーバーが再起動後に動かなくなりました。具体的には、ディスクにエラーがあり書き込みを要するすべての処理ができない状況。
(こちらがその問題です。どなたかコメントいただけると嬉しいです。) askubuntu.com
検索しようにも知識が足りない状況だったので、いい機会と思って勉強をはじめました。
手にとって
元々Twitterでの評判を聞いて「いつか読んでみようかな」という程度だったのですが、実際のトラブルの中で藁にもすがる思いで購入。
結果、まさに必要な本でした。 一番知りたかった物理パーティションとLVMの関係やファイルシステムの修復方法について現場の方の言葉で書かれているのがありがたかったのはもちろん、ブート時の仕組みやデバッグの上で役に立つコマンドまで、これまでおざなりにしてきた知識が詰め込まれている本です。
ハンズオンを推奨している点が推せます。一周目は遠慮なく読み飛ばしていいよという注意書きが至るところにある点も笑っちゃいましたが、読者のことを分かっているなと。
クラウドでLinuxを触った経験があり、かつこれから自作PCを始めようという方には特にオススメできます。
デバイス・ディスクとファイルシステムについて
パーティションとファイルシステムの違いも知らず、LVMの名前も知らない状態だったのですが、本を読み色々落書きする中でいい感じに整理できました。
これまで私が混乱していた原因の一つが、Macbookのディスクユーティリティです。 この本では「パーティションとファイルシステムの作成は別々にすべき」と語られていますが、ディスクユーティリティは一緒にやるんですよね。
ハンズオンに当たってはラズパイを用意しました。Macbookのディスク関連ユーティリティはLinuxとは異なっていたりコマンドがなかったりで困ったので。
Linuxカーネルの起動・ユーザー空間について
そもそもOSが起動する仕組みが分かっていなかったのですが、ログを見ても怖くない程度には理解できたと思います。
特に、BIOSがOSのバイナリを探す時点ではファイルシステムはロードされていない、というのは言われればそのとおりで、納得感がありました。
initについても、System Vなどの聞いたことある歴史的経緯をちょいちょい入れてくれるので頭に入りやすかったです。
まとめ
読み終わった後に振り返ると逆に何を知らなかったのか分からなくなる、身になる本でした。
後半にはネットワークの章もあり、読むのが楽しみです。